ちょうしフラット通信

親子で集まれる場所を!ビーチクリーンやイベント運営など精力的に活動中の子育て応援「どんぐり」代表・田村清香さん

2019年7月12日

田村清香さん(42)

銚子生まれ銚子育ち
短大卒業後は旅行会社に勤務。
その後ヨーロッパ、オーストラリア、アジアを巡り、帰国後も宮古島、成田、川崎、群馬など様々な土地での生活を経験。
現在は子育て応援団体「どんぐり」の代表を務め、cafe suiや数々のイベント運営を手がけている。

これまでにのべ300人以上が参加!「ビーチクリーン」

2015年10月、利根川上流を襲った豪雨の影響で、大量のゴミが銚子の海岸に漂着しました。その時、地元の友達のfacebookには海水浴場がゴミで埋め尽くされている悲惨な状況が投稿されていました。それを見たのがきっかけで清掃の呼びかけを行ったのが、今回お話を伺う田村清香さんです。

田村さんの呼びかけで集まったのはなんと70人以上。赤ちゃんからお年寄りまで、幅広い世代の人が集まり、1時間で100袋を超えるゴミを拾いました。

それ以来、1〜3ヶ月に1度のペースで「ビーチクリーン」を開催し、磯遊びとごみ拾いを行っています。これまでに参加した人数は、のべ300人以上。

毎回来れる人は少ないですが、コツコツと続けることで、全体的に参加者が増えてきました。『こんなにペットボトルがあるなんて思わなかった』『観光地なのにこんなに酷いことになっているなんて』と現状を知ってもらえるので、これからも続けていきたいです。」と田村さん。

「みんなが来てくれるから、大変というよりはいいことしたぞって感じが好きなんです」と、ご本人はとても楽しんでいる様子。東京など遠方から参加してくれる人も増えているそうです。

「cafe sui」を拠点に子育て応援団体「どんぐり」で精力的に活動中

田村さんの活動は、代表を務める子育て応援団体「どんぐり」が中心。今回はその拠点でもあるcafe suiでお話を伺いました。

国内外のさまざまな土地で生活

田村さんは短大卒業後、都内の旅行会社に勤務。周囲には海外支店勤務経験者や添乗員も多く、「私も行きたい」と思い、仕事を退職して、コツコツ資金を貯め、ワーキングホリデーを利用して1年間オーストラリアへ。

「バンダバーグの農家でオランダ人、イギリス人と一緒にさつま芋をとり、ケアンズではツアーガイド、メルボルンではレストランで働き、オーストラリアを周遊し、アジアをまわって2ヶ月くらい旅して帰国しました」

帰国後は県内の旅行会社で働いていましたが、その頃に、もともと知り合いだった現在の旦那さまと再会。一緒に宮古島に行き、意気投合。

その後、29歳で結婚。転勤族となった旦那さまに合わせて約1年単位で成田、川崎、群馬と、短期間で拠点が変わる生活になりますが、子供の事を考えて銚子へUターンしました。

転勤族でも安心できるコミュニティづくりを始める

2児の母となった田村さんは、銚子市内の子育てサークルに足を運ぶことに。しかし、既に出来上がっているコミュニティに新しく入っていくのは、なかなか勇気が必要。転勤族のママさん達がもっと気軽に友達になれる場所があったらなと感じたそうです。

「川崎や群馬に住んでいた頃は親も遠かったので、ママ友に本当に助けられました」

「転勤族のママって親も近くにいないので、助け合えるととっても楽。例えば自分が具合が悪かったら、子供を見ててって言えるとか」

そんな思いから6年前に自身で子育て応援団体「どんぐり」を立ち上げ、現在は、転勤などで県外から来た人や、地元に帰ってきたママさん達もたくさん参加してくれているそうです。

「どんぐり」ではママたちの「得意」を持ち寄って親子で共有

現在cafe suiは不定期で営業中。カフェやワークショップをやりたい人は、誰でも自由に使えてファンを増やせる。そんな、誰かを応援する場所でもあります。

どんぐりでは、さまざまなイベント、ワークショップを開催しているほか、こどもフリーマーケットや、売り上げを小児がんの子供たちに寄付するレモネードスタンドなど、屋外でのイベントも毎回大盛況です。

また、ママたちの「得意」を持ち寄って教えあったり、披露したりする場所としての役割も。

「以前、suiでおさがりを持ち寄ってフリマをすることになった時に、器用なママたちがヘアゴムを作って販売したら、大ヒット。そこからハンドメイド作家さん達による
squirrel(スクイレル)が誕生しました。」

他にも、どんぐりの「サイエンスくらぶ」「ウクレレくらぶ」などママたちが楽しみ、「好き」や「得意」を共有しています。

「ママたちが楽しめる場所を作りたい」
「自分の子供も他の子供もみんなで一緒に楽しめたら最高です。」
と田村さん。

「みんなが気楽に集まれて、第二のおうち感覚で、家族のようにおしゃべりが楽しめるカフェをやりたい」

今後は週に3日程度曜日を決めて、定期的にカフェ営業をしたいとのことでした。

「つながりが深い」銚子が好き

「帰ってくると玄関の前にキャベツが置いてあったり、銚子の人っておすそ分けがすごい。沢山いただくと、みんなに配り、分け合います。みんなで分け合って生きている気がします。
都会のマンションだったら、こんなにおすそ分けってあるのかな?って考えると、銚子のそういうつながりが深いところが好きですね」

お隣さんとは、お互いに家族の誕生日を祝ったり、じいじ&ばあばと呼び、とても親しい間柄なんだとか。

「suiに来るお客さんみんなに本当のじいじ&ばあばだと思われています(笑)」

銚子の好きなところを尋ねると、田村さんはこう答えてくれました。

場所で言えば、「銚子電鉄が走り抜ける君ケ浜の森の中が好き。子供とハンモックを持って行き、遊んだこともあります」

「外川や漁港近くの古い町並みも好き。あちこちにまだ残っている、自分が小学生の頃に行った思い出のある駄菓子屋も好きです」

と次々に銚子の好きなところを話してくれました。

「ゲストハウスや寺子屋もやりたいし、その時誰かが興味を持ったことをやってみたい。例えばうちの子供は今タップダンスに興味があって、バク転もできるようになりたいって言っています。だから誰か教えてくれる人とつながれたらそれも面白いなって思います。」

銚子は人口減少で子供の数も減っています。しかし、お話を伺い、仲間と楽しんで子育てをする暮らしや、楽しい空間がたくさん銚子にもあるんだな、と羨ましくなるほどでした。

今後もどんぐりとcafe suiの進化は止まらなさそうです。

(聞き手・佐野明子/写真・青柳愛/文・江戸しおり)

田村さんのブログはこちら!→https://ameblo.jp/cafesui38/