『 商都として栄えた銚子 』

銚子には、房総沖や鹿島灘沖に集まる「鰯」を追って紀州から多くの人が移り住んでいました。また、江戸時代には利根川の水路に恵まれ、商都として栄えてきました。

【利根川】
「千人塚」から見た漁船の帰港風景
▲「千人塚」から見た漁船の帰港風景
現在「利根川」は新潟県と群馬県の県境にある大水上山に水源を発し、大小800近くにものぼる支流を合わせながら関東平野を北西から南東へ貫き、ここ銚子市まで続いています。

江戸時代の初めまで、利根川は東京湾へと流れていました。
東京湾に注いでいた利根川が、現在のように銚子へと流れるようになったのは、江戸幕府(徳川家康)が洪水防止や水利、水運のために行った河川工事によるものです。
江戸時代初頭から行われた河川改修工事は「利根川東遷(とうせん)事業」と呼ばれ、徳川家康の江戸入府をきっかけに江戸湾(現東京湾)から銚子へと流路を替える基礎がつくられました。
東遷事業の目的は、江戸を利根川の水害から守り、舟運を開いて東北と関東との交通・輸送体系を確立するためでした。また別の意味で、伊達政宗に対する防備の意味もあったといわれています。

それまでは東北から江戸への物資の運搬には房総半島を迂回していましたが、利根川が出来てからは迂回する必要が無くなり、利根川は江戸と東北とを結ぶ物流路となりました。
それに伴い利根川の河口に位置する銚子は、重要な利根川の流通基地として大きく発展しました。

川口町にある「千人塚」から利根川を見下ろすと、漁船の帰港風景や水揚げされたばかりの魚を積んだトラックを見ることができ、ここが「漁業の町」だということを改めて実感します。


【醤油工場のレンガ蔵】
ヤマサ醤油のレンガ蔵
▲ヤマサ醤油のレンガ蔵
むらさき香る醤油のまち銚子の醤油醸造業は、350年以上の歴史と伝統を誇っています。それは一年を通じて適当な湿度を持つということから醤油醸造には最適の地であるということと、利根川の河口に位置し古くから船の交通の要所であったため、大豆や小麦等の原料を産地から運び込んだり出来上がった醤油を江戸に運び出すのにも大変便利だったからです。

銚子では、ヤマサ醤油創業者の初代濱口儀兵衛が紀州から銚子に渡り、正保2年(1645年)以降、3世紀半12代に渡り品質の高い醤油を今も作り続けています。

ヤマサ醤油本社西側には大正時代に造られたレンガ蔵があり、このレンガ蔵は歴史的にもたいへん貴重で、その重厚な佇まいは過ぎ去った時間を垣間見る事が出来ます。

■ 関連リンク
    ・ ヤマサ醤油
    ( http://www.yamasa.com/)


【千人塚】
千人塚
▲千人塚

利根川水運の隆盛を背景に、漁業と醤油の醸造業が飛躍的にのびた銚子では、慶長19年(1614年)10月25日に悲劇的な事故が起きてしまいました。 銚子港に大津波が襲来し、鹿島灘に出漁していた漁船が多数遭難するという悲しい出来事がありました。
この犠牲者を葬ったのが川口町にある「千人塚」です。
現在は、利根川沿いに運河方式の新航路が作られたおかげで、漁船の出入が容易になり、銚子は名実ともに全国一の漁港基地 として発展しています。

千人塚の上には、昭和35年(1960年)に「海難漁民慰霊塔」が建立され、周辺には句碑や石碑が立っています。

■詳細ページ  ・ 千人塚


【飯沼観音】
地元の信仰が厚い「飯沼観音」
▲地元の信仰が厚い「飯沼観音」

銚子漁港に程近い場所に位置する飯沼観音は、地元銚子では「観音様」の名前で親しまれています。
飯沼観音は、神亀5年(728)に漁夫が海中から引き揚げた十一面観音像を安置したのが始まりといわれ、地元の信仰も厚く、坂東三十三観音巡礼の27番目の札所として巡礼者が集まるようになると、その前の清滝寺(26番目札所)からおよそ100km、次の滑河龍正院(28番目札所)へも60km近く離れているため、重要な宿泊地として飯沼観音を中心に門前町が形成され、横浜・水戸に次ぐ商都として大きく発展しました。

毎月18日に飯沼観音で開かれる「ご縁日」は、野菜、焼きだんご、爆弾あられ等が販売され、多くの参拝者や観光客で賑わいを見せます。最近では「にぎわい縁日」と題された、商品券が当たる宝くじ抽選会も催されていて、なお活気があります。

飯沼観音より少し離れた場所にある本坊(真言宗円福寺)では、平安時代初期に作られた「鋳銅鐃(ちゅうどうにょう)」(国指定重要文化財)1462年銘の「梵鐘(ぼんしょう)」、ほかに「釈迦涅槃図(しゃかねはんず)」(ともに県指定有形文化財)があります。
円福寺境内には、江戸時代の豪商・俳人古帳庵(こちょうあん)による「ほととぎす 銚子は国のとっぱずれ」の句碑、「天保水滸伝」(てんぽうすいこでん)で知られる木村五郎蔵の墓などもあります。

■関連リンク
    ・ 円福寺
    (http://www.tcs-net.ne.jp/~enpukuji/


※参考文献
  「とっておき、銚子散歩」(アクセス出版 稲葉豊和 編著)



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