海鹿島町
「海鹿島町」は多くの文人たちが、保養地や別荘地として滞在していました。今でも風光明媚なその景観は、多くの市民や観光客の人たちに愛されています。

【海鹿島町】 
 
「お伊勢様」から見た眺望
 ▲「お伊勢様」から見た眺望

銚子市にある海鹿島町は太平洋の海岸線に位置しております。この海鹿島町の海岸線沿いは大小無数の岩礁地帯になっていて、テトラポットの海岸線と小さな海水浴場付近との2つにわけることが出来ます。

銚子電鉄の「海鹿島駅」を下車して、海に向かって高台の坂を下って行くと途中からすごく見晴らしが良い景観が見えてきます。
海鹿島駅から海まで続く道を歩いていると、なぜ明治の文人達がこの地を気に入って訪れていたのか理解できるでしょう。

この海鹿島町の岩礁には昔からユニークな名前がついており、鳥のトンビに似ていることから名前がついた「トンビ岩」や、くじらの形に似ている「くじら島」、大黒様に似ている「大黒島」などいろいろあります。皆さんも岩礁を探してみませんか?(隣のあの人に似ている岩が見つかるかも?)

 
テトラポット群が続く海岸線
 ▲テトラポット群が続く海岸線

これらの岩礁地帯には1897年(明治30年)頃まで、アシカやトドが多く生息していて、時の政府が狩猟を禁じて保護していたそうです。しかし現在では海流の関係からか、その姿は見ることが出来ません。 海鹿島のアシカについて当時の記録によると、「1年中、日向ぼっこをしており、多い日は2〜300頭ものアシカが上になったり、下になったり子犬がじゃれて遊んでいる様に見える。」そうです。

海鹿島周辺には宿泊施設もあり、海岸線は整備されていて散策が楽しむことが出来ます。君ケ浜、犬吠埼などにも程近く、文学碑も点在しているので文学碑散策にもオススメです。

※関連情報は、『ジャンル別検索』の「観光ホテル・旅館」からご覧下さい。


【海鹿島町に縁のある文人達】 
 
尾崎咢堂 歌碑
 ▲尾崎咢堂 歌碑

【尾崎咢堂】
明治、大正、昭和前期の政治家で「憲政の神様」とよばれた尾崎咢堂(本名、行雄)は、海鹿島にある「思咢庵」へ何度か訪れています。
尾崎が東京市長(現:東京都知事)時代、明治45年に日米友好の証としてワシントン市(ポトマック公園)に送った桜が、今では世界的な桜の名所となっています。
海鹿島町にある碑文の詩は、銚子は東のはずれにあり、向こう岸はアメリカで、アメリカに一番近いことをうたったものでしょう。
碑文:
 朝またき
 彼方の岸は アメリカと
 聞きて爪立つおはしまのはし
         -瑞鶴荘にて 行雄-

小川芋銭 句碑
 ▲小川芋銭 句碑

【小川芋銭】
小川芋銭は特異な画風をもって知られ、特に俳画は広く愛好されていました。
芋銭は現在の茨城県牛久市に住まいを持っていましたが、芋銭の人柄に惚れた篠目八郎兵衛氏が、銚子市の海鹿島町にある「潮光庵」という別荘を特別に貸してくれました。芋銭は「潮光庵」をたいそう気に入り、晩年は毎年のように銚子へ訪れ、その度に長く滞在しました。
芋銭が気に入っていた海鹿島町の高台に建立されている句碑には、現在の天皇陛下がお生まれになった時、銚子に滞在していてその喜びを詠んだものが碑文として刻まれています。
碑文:
 大海を 飛びいづる如と  初日の出

竹久夢二 詩碑
 ▲竹久夢二 詩碑

【竹久夢二】
碑文:
 宵待草
  まてど暮らせど来ぬ人を
   宵待草のやるせなさ
     今宵は 月も出ぬさうな

                 夢二

これは、竹久夢二の作詞による「宵待草」の一節です。
夢二は明治43年、27歳の夏に海鹿島に滞在し、この「宵待草」のモデルとなる女性、長谷川カタに出会いました。しかし、世間体を気にしたカタの父親は、夢二が帰郷した隙にカタを結婚させてしまいました。その後、カタへの恋心を綴ったこの「宵待草」が出来ました。
宵待草とは、銚子の海岸に群生して夕方になると黄色い花を咲かせるマツヨイグサのことで、夢二が間違って「宵待草」と付けたそうです。
間違ったとはいえ、今ではこのタイトルで皆さんに愛唱されています。

この他に海鹿島町には、銚子が生んだ明治の文豪「国木田独歩」の句碑があります。

※特集バックナンバー ・・・ 『文学碑に残る、銚子詠みうた』


【初日の出スポット】 
 

海鹿島町は銚子にある数少ない遊泳可能な砂浜の一つで、夏には多くの人が訪れます。冬場は豪快な荒波を見学に訪れますが、年末年始は「初日の出スポット」として特に人気があります。
海鹿島付近からは「海岸線一帯」「お伊勢様」「丸山」から、大変美しい「初日の出」を見ることが出来ます。
海岸一帯は、豪快な荒磯を目の前にしぶきの中から初日の出が拝めます。お伊勢様は、天満家の高台から美しい眺望がご覧いただけます。丸山は、岩肌に小石が多く歩くのに注意が必要ですが、東側からの景色は犬吠埼灯台も見えて、大変素晴らしい絶景をご覧いただけます。
取材時はあいにく雲り空でしたが、2005年の元旦には東の水平線から昇る美しい「初日の出」を拝みたいですね。

  海岸線一帯
 ▲海岸線一帯
お伊勢様
 ▲お伊勢様
丸山
 ▲丸山


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